お前の魂はどこにある?という話

 

 

 

ノリで婚活を始めた。

 

始めたと言っても、婚活サイトに登録しただけだ。

 

私の登録したサイトは、独身証明書やら月収のわかる証明書を出さなければ活動ができない仕様であった。

 

独身証明書は役所に行かないと取れないものだし、月収のわかる証明書はスマホからプリントアウトしないと提出ができない。

 

 

 

 

・・・めんどくせっ!!

 

 

 

私は放置した。元々そこまで乗り気でなかったこともあり、重い腰を上げきることができなかったのだ。

 

なんなら面倒臭すぎて、婚活サイトに登録したという事実を無かったことにした。

 

 

そうしていつもの日々を過ごしていた私だが、カードの引き落としの明細を見て、普段より高いことに気づいた。

よくよく見ると、婚活サイトの名前で引き落としがされている。

その婚活サイトは登録した時点で活動開始の有無とは関係なく会費がかかる仕様だったらしい。

 

月に1万円。会費を払っているのに全く活動していなかったので、すでに1万円は無に払っていることになる。

急いで退会の手続きをしたが、契約上、翌月分までは会費を払わなければいけないらしい。

つまり、2万円は婚活サイトに払うことになる。

 

 

悔しい。

悔しい悔しい悔しい!!!!!!!

 

 

婚活サイトが悪いわけではないが、悔しさに顔が歪む。

 

 

無に2万円。2万円あればちょっとした旅行もできる。大好きなぬいぐるみも買える。美味しいものを食べることができる。服だってたくさん買える。それなのに、無に2万円・・・!

(しかも1月末から無職になります)

 

絶望に打ちひしがれている時、ふとある考えがよぎった。

 

 

・・・1ヶ月だけガッツリ婚活したらいいんじゃね?

 

そうすれば、無にお金を払ったことにはならないじゃん!!!

 

そう。

"天才"の爆誕である。

 

 

もしかしたらいい人がいるかもしれないし、2万円の元を取れるように頑張ってみようと誓う。

 

そうなれば行動は早い。

引き落としに気づいたその日のうちにすぐ書類を提出し、速攻アポイントをとる。

 

とりあえず、3人と会うことになった。

 

 

友達にそのことを伝えると「じゃあ単純計算で1人7000円だね」と言われた。

嫌な計算である。

 

 

話は飛ばして、1人目と会った。

少しだけ年上で、穏やかで優しくて、私の話にニコニコと笑ってくれる。真面目そうだし、婚活市場ではいい人だと思う。

ただ、なんとなく壁があり、気持ちが読みづらく、ピンとこない人ではあった。

 

私の登録している婚活サイトでは、顔合わせの後に“今後も付き合っていきたいか否か”をジャッジしなければならない。

 

・・・いい人だったけど、なんかいまいちしっくりこなかったし、お断りしようかな。

 

時間をとってもらったのにこんな漠然とした理由でお断りして良いのだろうか?と悩んだが、私には婚活できる期間が1ヶ月しかない。(自分の都合でめちゃくちゃなことを言っております。)

2度3度と、ピンとくるまで会うような時間はないだろう。申し訳なさに心を痛めながらも、ウェブ上でお断りを入れた。

 

 

色んな意味で疲れたためか、その後に友達と食べたランチは異常に美味しかった。(この感想もひどいね。あの時会ってくれたお兄さんごめんなさい!!)

 

 

そして今日。2人目と会ってきた。

おしゃれにパーマをかけていて、丸メガネの似合うお兄さんだった。

ファーストインプレッションは良かったのだが、話をしていくうちに致命的なほど会話が噛み合わないことに気付いた。

 

私は、私自身のことを知ってもらうには多少なりとも感情や本音を曝け出す必要があると思っているので、身を切り売りしながら話題を提供したのだが。

 

その方は、何を言っても

「まゆさんは面白い方ですね〜」

「まゆさん、明るくて素敵ですね〜」

「まゆさん、笑顔がいいですね〜」

と、テンプレートのような返答ばかりなのである。

 

まるで、恋愛ゲームで"好感度が上がるであろう"選択肢をひたすら選ばれているような感覚である。

 

 

正直、しんどかった!!!!

 

話せば話すほど溝が深まっていっているのに、お相手からは"良い選択肢を選べている"という自信が滲み出てきているというか・・・

温度差があるのに温度差を感じ取ってくれない感じがしんどかった!!!!!

 

同時に、1人目のお兄さんに対して「なんか違うな」と思った理由を明確に理解することができた。

2人目のお兄さんほどではないが、1人目のお兄さんも全く本音を出してくれていなかったのだ。

 

どんだけ嫌なやつでも、合わなかったとしても、私は本音や魂を見せて欲しかったよ!!!

 

(すみませんが2人目もお断りしました)

 

・・・というわけで、2人(14000円分)に会った結果はこんな感じである。

 

 

このままいけば、私の婚活は年末を前にギブアップで終了となるだろう。

明後日3人目と会う約束をしているが、果たしてどうなるだろうか?

 

 

そして人柄が良い方に対しても漠然とした理由でカジュアルに断ってしまう私は、この調子で結婚できるのであろうか?

 

 

今後の私の活躍に期待していただきたいものである。

 

 

 

 

 

 

 

【追記】

3人目も無事お断りし、まゆの婚活は終了しました!!!!

ココとの思い出

 


ココがいわゆる「虹の橋」を渡りました

 


19歳と半年という長い年月

わたしがペットとしてココを可愛がっていたのではなく、ココがずっと私を助けてくれた19年だった

 

 

 

確か出会いは8歳だか9歳だか、そのくらいの歳だった。

朝早く、わたしと兄弟が寝ている部屋に母がきて、私たちを起こしてすぐベッドに子犬を放した。「今日から家族だよ!」なんて言いながら。

 


犬を飼うなんて知らなかった私たち兄弟は泣くほど笑って喜んだ。

 


その日からわたしたち兄弟とココで4人兄弟となった。

 

 

 

 


わたしのココに対する溺愛ぶりは常識を逸脱していて、大学の時には1限目の途中で「犬に会いたいから」と帰ることもあった。

「犬といたいから」と行かないこともあった。

 


元々マジの引きこもりだから高校も大学もそうやって行ったり帰ったり、ココを撫でたり一緒に寝たりしながら精神の安定を図ってた。もちろんサボりたいだけの日もあったけど。

 

 

 

友達からの遊びの誘いも「犬といたいから」と断ることがあった。

というか犬が老いてからは特にそう断る回数が増えていったような気もする。

19歳という年齢で、見るからにヨボヨボで残りの時間がそう無いと思うとどうしても犬を優先させたかった。

 

 

普通だったら関係を切られてもおかしくないような断り方をよくしてたけど、優しい友達に恵まれて関係を切られることなく今日まで過ごせております。本当にありがとう

 

 

 

2ヶ月ほど前から実家から車で15分のところで一人暮らしを始めた。でも、辛いことがあるとすぐ実家に帰り「犬セラピーが必要」と言って一緒に眠った。

辛いことがなくても週に一回は「犬セラピー」を受けに帰った。

ココと寝ている自分は、世界で一番満たされた存在だった。

 

 

 

 


本当はココと一緒に死にたかった

いない生活が考えられないし、ココがいなくなった後の自分は自分じゃないから。

毎日寿命を1日ずつ渡し、ちょうど同じ日に死ぬことが希望だった。

家族には「犬がもし死んだら、その日にわたしも死ぬ」と本気で言っていたし、本気で思っていた。

 

 

 

「なら、死んだその日に新しい犬を飼おう」なんて家族で笑ってたけど。

 


だけど、実際犬がいなくなったいま、同じ気持ちにはならない。

ペットで空いた心の穴は新しいペットで…と思っていたけど、新しい犬を飼ったとしてもこの穴は埋まらないと思う。

代わりにはなるかもしれないし、新しい犬を飼ったら絶対に大切にして一生手放すことなく可愛がれる自信があるけど…

これから先、何匹犬を飼って楽しく笑って暮らしていけても、どうしたってココが居なくなった穴は一生埋まることは無いと思う。

でも、それでいいとも思う。埋まらないでいいとすら思う。

 

  

話は変わるけど、わたしは現在看護師として働きながら、おじいちゃんおばあちゃんの亡くなる瞬間にたくさん立ち合わせてもらっている。

命の授業みたく、たくさんの患者さんに老いるのは仕方のないこと、命あるものがいずれ死んでいくのは自然の流れだと教えてもらった。


そういう経験の積み重ねで心の準備が進み、ココが死んでもなんとか生きている自分がいる。

なるべくしてなる人生を送っている。導かれて生きている。そう感じた。

 

 


ココがいないこれからの人生、なかなか想像もつかないけど、つらい時に必ず居てくれたココがいなくなったいま、何か起こった時にどう立っていけばいいのか全然わからないけど…

なんとか、なんとか、頑張っていきたいと思う

 

 

 

おばあちゃんが死んだ時も言ったけど

自分が死んだら、最愛のおばあちゃんと最愛のココが待ってると思うと死んだあとの楽しみが増えるばかりだよ

 


行くまでちょっと待っててね

 

 

 

 

 

最後に

 

本当にキラキラした毎日をありがとう

ココに支えられてこれまでやってこれました

わたしを生かしてくれてありがとう

うちに来てくれてありがとう

もし私を天国で待たずに生まれ変わるなら

またうちにきてね

 

 

大好きだよ

 

みなみ

 

 

 

 

 

 

 

 


ありし日
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中岡まゆのおばあちゃん

 

おばあちゃんが入院して2ヶ月程経っただろうか。

先日、ついに看護師さんより「そろそろご親戚を呼んだほうがいいかもしれません」と言われてしまった。

 

あ〜、もうすぐおばあちゃん死んじゃうのかぁ

 

薄々わかってたことだけど、いざ目の前に押し迫ると心臓がギュッとなる。

 

おばあちゃんが生きているうちに、おばあちゃんを忘れないうちに、大好きなおばあちゃんの大好きなところを書き出してみようと思う。

 

 

 

 

 

おばあちゃんはちょっぴりクレイジーな人だった。

 

泊まりに行くといつも「晩御飯は何がいい?」と聞かれ、わたしはいつも「なんでもいいよ」と答えていた。

 

すると毎回「なんでもあるよ〜」と言われるので「じゃあ◯◯がいい!」と答えると「ほんならちょっと行ってくるわ」と買い物に出かけるような人だった。

 

「何にもないってこと そりゃあなんでもアリってこと」?    ROCKET DIVEが過ぎるよ、おばあちゃん。

 

買い物に行くと一度決めたらもう止めても無駄なので、私もついてよく2人で買い物に行った。

 

わざわざ買い物に出かけさせるのは申し訳ないけど、何か答えなければ延々「なんでもあるよ〜」と言われるので、中学ぐらいからは「冷蔵庫にありそうなものを答える」というゲームとしてその質問を楽しんでいた。

 

お米だけあれば作れる「おかゆ」と答えるチート技も発見した。

 

おばあちゃんの作るおかゆは鰹節から取ったダシと昆布から取ったダシ、しいたけから取ったダシをベースに、さらにほんだしを入れるというクレイジー粥だった。

ひたすら濃い。何かわからないけど濃い。そして、異常な中毒性がある。

 

雪の降り積もる山間部出身だからだろうか、おばあちゃんはたまにこういう塩分過多料理を作る。

 

でも、私はそのクレイジー粥が未だに一番の大好物だ。

もうあのおかゆが食べられないと思うと、ちょっぴり寂しく思う。

 

 

 

別の日の朝、泊まりに行っていた私が「ホットケーキ食べたい!」と言ったら、おばあちゃんは家にあったお好み焼き粉でホットケーキを作ってくれた。

 

お好み焼き粉を扱ったことのない小学生の私は一瞬(できるのか?)と思ったが、私より何十年も長く生きているおばあちゃんが作れると言っているので大丈夫だろうと思い直し、出来上がりを待った。

 

待っている間、完全にお好み焼きを焼いている匂いが漂っていたが、気のせいだと思うことにした。

 

 

出来上がって、一口食べた。

あまり想像できないと思うけれど、お好み焼き粉で作られたホットケーキはシンプルにまずい。

ダシや醤油、鰹節の香りのする"あの"お好み焼きに砂糖をたっぷり入れたものを想像してほしい。その味なのだ。

 

苦い顔をする私におばあちゃんが「ダメだった?」と心配そうに声をかける。

「大丈夫!食べられないことは無いよ!!!」と言って、無理して何口か食べた。

 

超絶怒涛におばあちゃん子の私にとって、おばあちゃんが作ったものを「まずい」と言ったり残したりすることは絶対悪だったのだ。

 

水で流し込みながらお好み焼きホットケーキを食べていると、隣で同じものを食べ始めたおばあちゃんが「あ〜!!!こりゃ食えんわ!!!」と大笑いしてゴミ箱に一瞬で捨てた。私も色々と我慢していた分、めちゃくちゃに笑った。

 

それ以来食品棚にはホットケーキミックスがストックされるようになり、私もあまりにまずいものは「これは…もしかして……おいしくはない、の…かも… 。わかんないけど……多分………。」と言えるようになった。

 

 

 

 

またとある別の日

はがき1枚の配送料がまだ50円だった頃だ。

 

会社を営んでいたおばあちゃんは、はがきを出す機会が多くあった。

学校帰りに会社の事務所でよく宿題をしていた私はおばあちゃんのこんな声を聞いた。

 

「あ、しまった、切手がない

 まぁこうしときゃええか」

 

気になっておばあちゃんのところに行ってみると、切手を貼るべき"あの枠"にセロテープで50円玉を貼っていた。

 

切手がないときはいつもそうしていていたらしい。 

確かに、切手も50円だし、お金も50円だ。

同じ値段だからそれで送れるのか!おばあちゃんは物知りだなぁ!!スゴイ!!!と本気で思った。

 

その後もはがきに50円玉を貼り付けているおばあちゃんを何度も見かけた。

私は完全に「はがきとはそういうもの」だと信じて育った。

 

 

間違いに気付いたのは20歳を過ぎた頃だ。

当時ははがきの配送料が52円だったので、50円玉1枚と1円玉を2枚貼れば届くのかな?と思い「はがき お金を貼る」で検索し、ようやく間違いに気付いたのだ。

あの時調べなければ、多分今も勘違いして育っていただろう。

 

というかおそらくこんなのは氷山の一角で、自分の中のこういう「おばあちゃんに教えてもらって、常識だと思い込んでるけど実は・・」みたいなエピソードはまだあるんだろうな。

今後は何が出てくるんだろうか。これからの人生が楽しみ。つくづく、面白いおばあちゃんで良かった!!!

 

 

 

 

 

 

その他、おにぎりを延々と食べさせられる「わんこおにぎり」の話や「掛け布団を10枚掛けられ圧死しかける事件」などクレイジーエピソードはたくさんあるが、今日のところはこれくらいにして、寝ているおばあちゃんにたくさん話しかける時間に戻ろうと思う。

 

 

 

 

 しんみりした内容なので、おばあちゃんとのSNOWを貼って明るく終わります。

 

 なにやられてるんだかわかってないところがカワイイね

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みんなもおばあちゃん大事にしろよな!!!!!

 

 

 

 

おばあちゃんの病室にて。

 

 

中岡まゆ